【雑記帳】Aether Est / エーテルエスト

シナリオ作成・ノベルゲーム制作・開発中の雑記をしたためます。

外伝補記

 

こんにちは。エーテルエストです。

突然ですが…

 

アルカディア制作開始より1周年を迎えました!

先日5/4に、【融和性アルカディア】制作開始より1周年を迎えました。本当にありがとうございます…!

ふとした瞬間に制作をスタートしてから、ほぼ365日ずっとアルカディアのことについて考えてきました。本編(アナスタシス)の構成、内容、キャラクター、ゲーム版(ラクリモサ)のシナリオ、BGM制作、キャラソン制作、スチル制作、立ち絵制作、はては2次創作にいたるまで…

アルカディアやっていなかったら、できていなかったこと」が非常に多く、変な話、自分自身が一番アルカディアに対して感謝しています。せっかくなので、アルカディア制作のよもやま話をいくつか綴ってみようかと思います。

アルカディア制作スタートのきっかけ

もともとは録音環境が不安定になってきた中「どうやったらボイスコンテンツに携わり続けることができるか」という想いから「そうだ、台本作ってみよう」という発想になり、「じゃあ“聞き流す本”みたいなのが、面白いんじゃないか」と、独白・風景描写アリの1on1台本ができあがりました。

そのスタートが、以前にもお伝えしたと思いますが、第4話です。初稿からかなり手は加わっていますし、ラクリモサシナリオから逆輸入した台詞もあるのですが、読んでいただくとなかなかに「アルカディア」が手探りな感じを感じていただけると思います。笑

逆に、第11話らへんはどうやってまとめたのか、あまり記憶にありません…。とにかく掛け合いしてほしいキャラ同士に伏線回収させつつ、カワイイ会話をさせたい、みたいな感じだったような?

★全体のコンセプトについて

ありがたいことに、お声いただけることも増えてきて…「第n話が面白かったよ」「誰々と誰々の掛け合いが好き!」「このシーンのこの台詞がいい!」など嬉しいお言葉を、ありがとうございます。

自分が面白いと思えない作品はそもそも世に出さないというこだわりもありますが、わかりやすく「恋愛」や「友情」のようなテーマで描いておらず、真髄はもっともっと、深い部分にさり気なく存在させている作品です。

もちろん要素的にそれらを含んではいますが、1on1の会話(平均約40分)から垣間見えるキャラクター同士の言葉は、情緒のやり取り”のような、ガラス細工のように繊細なもの。

中世ファンタジー、人間×人外、雑多CPという作品カテゴライズ自体をわかりやすく設定しているのも、物語全体で描きたい底の部分”に目を向けていただきたいというところに起因しています。

声劇」というコンテンツひとつとっても/役を演じる/感情移入する/キャラになりきる など、さまざま向き合い方は人それぞれあると思いますが【融和性アルカディア -Anastasis- 】については、彼あるいは彼女の視点を通して物語の深部に共感していただいたときこそ、輝きを放ち始める台本です。

キャラクターの心情に同調して、台詞を声に出していただけたとき。その瞬間、本当に【融和性アルカディア】を知っていただけたと言っても過言ではないでしょう。

余談ですが、台本ではなく単純に「読み物」としても面白いと言っていただけるたびに、狂喜乱舞する思いでございます。全話を読んでからまた戻ると、読み方が変わりますよね。何度も読み返していただけるのも、アルカディアの特長かもしれません。伏線ギミックも凝らしているので、制作冥利につきるというものです。ぜひお好きなだけお読みいただけたら嬉しいです〜!

これからもより多くの方に、アルカディアが何らかの融和をもたらせますように。1周年の先を祈念して、ここらへんでご挨拶の筆を置かせていただければと思います。

なんと、ここからが本題なんです!笑

 

新シナリオ追加しました!

【融和性アルカディア -Anastasis-】外伝を、更新しました!
リカルドとオルガが人狼の子どもを拾うお話でした。
当記事はネタバレを含むため、【外伝】読了後に読むことをオススメします。


★外伝
よもやまばなし
…の前に、この補記もお久しぶりの更新ですね!まさか、本編終了後にまた補記をしたためることになるとは思っていませんでした!自分でも驚いてます!

- 構成・コンセプトについて

今回のお話は「第1話後(第13話未満)、オルガとリカルドの日常を描いた話」をコンセプトにしたためました。はぐれ人狼の子を拾うという非日常感の中で、オルガ・リカルドというカップリングの理解を深めていただきたいというのが趣旨になります。

オルガとリカルドの子育てを見たい(不純な動機)という感情から生まれました。発足当時の制作メモ見てきたら2021/9/25の深夜2:55に最終更新されていたので、まだ全然余裕で本編連載途中…っていうか下手したら連載開始直後ぐらいにもう思いついてたんですね…生き急ぎすぎでは。笑

ただ、第1話以後、オルガとリカルドの日常パート的な描写がないので、第12話でそんなに二人は深い関係になってたの?という部分を補完するために書きたかったんだと思います。

単純な身体のつながりではない魂(こころ)の融和を描写するには、かなり心理描写が肝なんです。たとえば第12.5話はオルガのソロパートですが、彼女の独白があることで、オルガにとってリカルドがどれほどの存在なのか?という部分が深耕されます。

※そういう意味でゲーム版ラクリモサは、各キャラの過去+独白パートが続いていくイメージですね。もちろんキャラ同士の掛け合いや、本編では見られないキャラ同士の絡みも豊富ですが、アナスタシスを読んでいただいた方は倍楽しめる内容ではないかなと思います!

- 人狼の子ども

はぐれ人狼:イヴ?
少女:あの夕陽になぞらえてみたの。
はぐれ人狼:…夕陽?
少女:きれいな夕陽のことを、そう言う国があるのよ。…どこにあるかは、忘れてしまったんだけど。きっと今日みたいに、空がオレンジ色に染まって、風も心地いい国なんじゃないかと思うわ。

『融和性アルカディア』外伝「フロックスのたより」より

外伝「フロックスのたより」では、イヴという名前のはぐれ人狼の子が出てきました。リカルドをいいように遊ぶ殊勝な女の子です。名前の由来は、作中でもオルガが説明してくれてますが、オルガとイヴが出会った夕陽の時間軸にちなみ、異国語(英語)のEveningからきています。

あなたと一緒

- リーリュエズス大陸の通貨

店主:……1800ユリオンだ。
少女:じゃあ、2000ユリオンで手を打ちましょう。…お釣りはいいわ。手間取らせて悪かったわね。
『融和性アルカディア』外伝「フロックスのたより」より

しれっと台詞の中に出てきてますが、アルカディアが存在するリーリュエズス大陸の通貨は「ユリオン」ということが判明しました。世界神ユニオーン(※第13話参照)の名前が由来になっているなど諸説あります。外伝は本編の深堀りもそうですが、キャラクターの理解や世界観の補填という役割をもたせているので、こういう初見の小ネタがちょこちょこ挟まってきます。笑

- オルガとリカルドの対話

人狼:見ればわかるよ。一体、どこからツッコめばいいんだ?
少女:そうね、まずはこの野菜たちを貯蔵棚に。
人狼:わかった。…手伝うから、しっかり事情を説明してくれ。
『融和性アルカディア』外伝「フロックスのたより」より

「(この状況に)どこからツッコめばいいんだ?」と困惑するリカルドに対して「まずはこの野菜たちを貯蔵棚に(物理的な意味で突っ込んでくれる?)」というオルガの返答。ここから先はさすがの二人、オルリカ節が炸裂していきますね!独特の対話のテンポは第1話で存分にご堪能いただけるので、恋しくなった方はぜひ…。

- オルガとリカルドの対話②

少女:私は…ひとおおかみさんの目、結構好きよ。
人狼:……、そうか。……なあ、もう寝るだろ。明かり、そろそろ消すぞ。
『融和性アルカディア』外伝「フロックスのたより」より

オルガとリカルドが、二人きりの夜の教会でどんな会話を交わしているのか気になりますよね?それを描写しました。ここの解釈は多々あっていいと思いますが、第13話以前なので、お互い「まだ出逢ったことがあると気づいていない」という認識です。

オルガのこの台詞が、いずれの第13話の台詞にも繋がっていくんですね。見てる側からしたら「キース!キース!」と言いたくなる雰囲気ですね〜。でもしないんですね…なんでだよしてくれよ…!

- イヴとリカルド

はぐれ人狼:…リカルドって人狼のくせにあんまり食べないよね。
人狼:お前が食べすぎなんだよ。それぐらいでやめにしとけ。
『融和性アルカディア』外伝「フロックスのたより」より

物語を読み進めると、徐々に人狼の生態系とともに、リカルドがイヴに気圧されているんだなあという力関係が明らかになっていきます。ここは父親と子どもというより、兄と妹(弟)のような雰囲気です。飲食店時代、無口でクールなウェイターとしてお客さんに可愛がってもらっていた男も、プライベートでは基本的に尻に敷かれるタイプなんでしょうか。

- 魂の心臓の予兆

はぐれ人狼:今までほかに見えるって人を知らないから、わたしの目がイイのかな。でも、気のせいじゃないと思う。ふたりでいるところを見るとね、お互いの魂が、まるで手を繋ぐみたいに……
『融和性アルカディア』外伝「フロックスのたより」より

イヴは人狼の中でも、特に動体視力に優れた個体。第13話の後半で「魂の心臓(アニマエ・カルディア)」という言葉が出てきますが、彼女はそれすらも視える体質のようです。融け合う、という現象のことを彼女は「手を繋ぐ」と言っていますね。人によって捉え方や視え方が異なる。まるで〈愛〉というものの在り方のようですね。

- リカルドの心境

人狼N:俺にはまだ、彼女の罪咎を知らされていなかった。だが、この日々の先、やがて彼女のすべてを知ることになったとしても。過去も罪咎も、絶望すらも飲み込んで、沈黙するに違いない。彼女の祈りが終わるその日を、俺はずっと待っている。
『融和性アルカディア』外伝「フロックスのたより」より

この台詞、めちゃくちゃ推敲しました…。実は今後へ通ずる部分もあったりします。本編中でのリカルドの独白は、かなり珍しいのではないでしょうか?ラクリモサでは主人公ポジションなので、もっと心情を語ってくれます。乞うご期待。

- オルガとリカルドの対話③

人狼:そうか。…アンタの説教、楽しみにしててもいいだろ?修道女オルガ。
少女:……ふふっ。「沈黙」で返してもいい?
人狼:駄目だ。…黙られたら、俺がアンタと話せないだろ。
『融和性アルカディア』外伝「フロックスのたより」より

出ましたオルリカ。この微笑ましさは、お互いに相手の言葉を引用する癖があるからでしょうか。第1話では皮肉めいた印象が目立っていましたが、理解しあえているような温かさを感じます。特にリカルドの台詞は(おいおい、オルガと話したいんかい!)というカップリング萌えの閾値を容易に超えさせてくれますね…。

- 総評

そんなこんなで、かなり主人公らしくカッコいいリカルドの立ち回りや、オルリカの胸キュン日常会話や、オルガの翳りが見える独白だったりと、盛りだくさんだった外伝。こちらは追って、心理描写をもっと詳細に描いた【ノベル版】を展開予定です!

背景や台詞はもちろんのこと、例えば先ほどの胸キュンシーン。「キャラクター視点の心の揺れ動き」はどんなふうなのかを、しっかり感じていただけるんじゃないかと思います。

本編とはチョットだけ雰囲気の違う外伝。また次回したためる機会があれば、今度はあのキャラとあのキャラとあのキャラのこんな掛け合いを描きたい…と妄想構想は既にあるので、形にできるタイミングがあればいいなと思います。最遅で2周年かな?


★1周年記念イラストをネットプリントできます!

ほんのお気持ちではありますが…
5月12日までの期間限定で、1周年記念イラストをネットプリントに登録しました!全国のセブンイレブンで印刷可能です。イラストの内容は上記のイラストのフルサイズ版+ペン文字入りのものになります。

予約番号:XQ8T8ARE
はがき(カラー):60円
※料金はご自身でのご負担となります。

アルカディアのグッズ(?)を公式で公開するのは初めてなので、もしよろしければぜひ〜!

 

次回更新について

ほか、2次創作や他コンテンツの制作など、随時お知らせ予定です!
5月、お誕生日を迎えるキャラはいないのですが…来たる6月に向けて、今から盛大にお祝いする覚悟の準備をしておいてください!いいですね!!!

余談ですが、この間から絶好調のエルリカ(エルヴィン×リカルド)の2次創作ノベルは、どうやらpixiv規約によるとR18に引っかかってしまうらしいので、いっそがっつりR18シーンを追記してBOOTHで無料頒布しようかなと思っています。

不可抗力にもR18同人作家になってしまいそうです。18歳未満の方は購入できませんをついに言うときがきてしまうのか…(汗)

さて、重ねてとなりますが、1周年、本当にありがとうございました!
引き続き、エーテルエストと融和性アルカディアをよろしくお願いいたします。

それではまた。